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Channel: 小石勝朗「法浪記」 –マガジン9
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第68回 脛の傷はいつ付いたのか~袴田事件で浮上した新たな「捏造」疑惑

 犯行時に格闘して付いたはずの脛の傷が、実は、逮捕の際には存在していなかった。その後に犯行を「自白」した時点では確認されていたのに――。...

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第69回 憲法改正の第1弾になりそうな緊急事態時の「国会議員の任期延長」

 安倍晋三首相が参院選を前にした6月19日の党首討論で「次の国会から憲法審査会を動かしていきたい」と明言した。悲願の憲法改正へ、事実上の行動開始宣言に違いない。はっきり言って今度の参院選で与党が議席を大きく減らす可能性は低いから、秋の臨時国会から改正発議に向けた動きが本格化すると見るべきだ。...

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第70回 91歳の元警察官を証人尋問するかどうか、判断を先送りした裁判所の意図は

 当事者が若ければ、決定に多少の時間がかかっても支障はないかもしれない。しかし、証人尋問をするよう請求しているのは80歳の死刑囚、証言を求められているのは健康状態に不安がある91歳と75歳の元警察官だ。であれば、急がなければならないのは自明の理だろう。ましてや事件の真相解明につながり得る証人だとすれば、なおさらである。...

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第71回 「原発メーカー」の賠償責任を否定した判決

 事故から5年以上が経ったので、忘れてしまった方も多いかもしれない。  福島第1原子力発電所の原子炉を製造したメーカーには、2011年3月に起きた未曾有の事故の責任を取る必要はない。原子力損害賠償法(原賠法)が、原発事故の賠償責任は原子力事業者(電力会社)だけが負うとする「責任集中制度」を定めているからだ。...

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第72回 認可保育所と自営業、待機児童と保育料値上げ

 極めて私事で本当に恐縮ですが、8月に初めての子どもが生まれた。妊娠から出産に至る過程も大変だったが、新生児が家庭に来てからの生活は予想していた以上に大変だった(もちろん一番大変なのは妻に違いないです)。時にわが子が見せる愛おしい表情やしぐさに癒されながら、新たな気持ちで慣れない子育てに向き合おうと考えている。...

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第73回 「証拠漁り」か「証拠隠し」か~袴田事件に見る証拠リスト開示をめぐる攻防

 刑事裁判で被告や弁護人は、検察が持つ証拠にどんなものがあるのか、その全容を知ることはできない。検察は有罪の立証につながる証拠しか出さないから、被告にとっては圧倒的に不利である。被告や弁護人が「こちらに有利な、こんな証拠があるはずだ」と開示を求めても、検察に「ない」と言われてしまえば、それ以上、追及する術はなかった。...

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第74回 憲法改正国民投票にさらなる意見広告の規制は必要か

 あまり知られていないようだが、憲法改正の国民投票が実施された場合に、投票日前の2週間はテレビ・ラジオで賛否の意見広告(スポットCM)を流すことはできない。一定の期間、特にテレビのCMを控えて有権者に冷静に判断してもらおう、というのが規制の趣旨だ。資金力のある側が集中的にCMを流すと不公平になる、との懸念に応える意味も込められている。...

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第75回 1.4トンもの味噌を仕込んでまで袴田巖さんの死刑を維持しようとする検察

 検察という組織はどっしりと構えていて、社会正義の機微に触れる場面に直面してこそ、やおら行動を起こして存在感を発揮すると思い込んでいたのだが、どうやら買いかぶりだったようである。ムキになって手当たり次第に策を弄そうとする姿は可笑しくさえあるが、温かく見守るわけにもいかない。ことは死刑事件。執行につながってしまうからだ。...

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第63回 退任した市長に「3123万円を市に払え」~2審で逆転判決が出た東京・国立市の求償裁判

 注目を集めた裁判で、市民サイドを敗訴させる判決を言い渡す時の裁判官の態度は、一様に冷たい。淡々と主文だけ告げると、後ろめたいことでもあるかのように、そそくさと去っていく。開廷してから、わずか数十秒のことである。...

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第64回 とうとう強行された「袴田事件」のDNA検証実験

 裁判所が何を考えているのか分からない、との戸惑いは、しばしば耳にするところだ。特に刑事裁判で冤罪を主張する被告側にしてみれば、どう対応すべきか手探りになり、判決や決定が出るまでとても不安な状態に置かれるのが実感だろう。そして多くの場合、検察の主張に立つ結論が導かれる。そうした裁判所の姿勢が、司法への不信を増幅する一因なのだけれど。...

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第65回 ついに実現した東電元幹部の「強制起訴」

 予定されていた節目には違いない。しかし、原発事故から5年、告訴・告発をしてから4年近く。責任追及の中心になってきた人たちには「ようやくたどり着いた」との感慨が強いことは容易に理解できる。「画期的」「歴史的」という言葉が何度も語られた。...

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第66回 廃炉になるか「もんじゅ」

 社会情勢としては「チャンス」に違いない。国の原子力規制委員会が昨年11月、運営主体を代えるよう文部科学相に勧告したばかり。しかし、代替可能な組織は容易に見つかりそうもなく、廃炉も含めた抜本的な見直しが不可避になりつつあるからだ。...

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第67回 待機児童の数は自治体の「先読み力」を如実に表す

 くれぐれも「政争の具」にしないでほしい、と切に願う。保育所の待機児童問題である。  保育の「質」が大事なことは理解している。だけど今はまず、子どもの安全と両立させ得る範囲で、可能な限りの「量」を確保する方策を探るべきではないのだろうか。...

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第76回 4500万円を元市長に負担させる判決が確定~東京・国立市の求償裁判

 たしかに今回は、いわゆる「リベラル系首長」にまつわる事案ではある。ただ、同様のケースが右とか左とかの政治スタンスを問わず起こり得ることは、しっかり認識しておきたい。...

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第77回 やはり違法捜査のオンパレードだった「袴田事件」~小便に行かせず、果ては取調室に便器を…

 法律上は新たな申立てを追加したに過ぎないかもしれない。しかし、そこに盛り込まれた事実を見れば、この事件の本質が浮き彫りになり、決して看過できない内容であると多くの人たちが改めて感じるに違いない。...

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